今日は、神奈川県弁護士会が何らかの意思表示を行うときに決まって問題となる「あれ」について。

神奈川県弁護士会(神弁)は、県内唯一の弁護士の団体であり、また強制加入団体です。このため、県内に事務所を構える弁護士は否応なく神弁に加入することになります。ところで、神弁は、国内の様々な問題について機会を捉えて会長声明や総会決議という形で意思表示を行っているのですが、政治的に対立のあるとされる問題に踏み込むこともあり、強制加入団体として問題ではないか、ということが議論になります。

現在のところ、法律の専門家である弁護士が法的問題に対して意見を表明することは当然であり、また、会員は会の意見を強制されるものでもないという理由で、会長声明や総会決議は許容されています。ただ、弁護士会の行う上記声明や決議が特定の団体の主張に沿っており、そういった思想・信条を持たない会員の思想信条を侵害しているという意識が、議論の根底にあるように思われます。

我が国は法治国家であり、法律は国会で成立する以上、あらゆる法的問題は多少なりとも政治的であることは避けられません。政治的な問題であるからという理由で意見表明を行えなくなれば、弁護士会が法律問題について意見を述べることが出来なくなります。それでは、弁護士会の存在意義というものが希薄になってしまいますから、多少政治的な色彩があっても、弁護士会が意見を述べることは許されても良いと思います。

もっとも、弁護士会は政党ではないので、ある政党の主張を弁護士会の意見としても通そうとか、選挙が近いので決議で対立政党の主張を批判しようということを認めるべきではありません。従来、可・不可の問題で議論が進んでいた弁護士会の意見表明の問題ですが、今後は意見表明の内容の相当性も議論をしていく必要があると感じました。