「日常」カテゴリーアーカイブ

後見制度支援信託①

10月9日の記事で後見制度支援信託(以下、支援信託)を取り上げた際、不祥事対策のための制度と書きましたが、制度趣旨としては、被後見人の財産を適切に管理するためのとするのが最も適切な表現になります。それは、仮に後見人に不正の恐れがなかったとしても、支援信託の導入の必要があると裁判所は考えているからです。

現在、弁護士が支援信託に関与するルートとしては、①複数選任方式②リレー方式の2つがあります。①複数選任方式は、既に親族などが後見人に選任されている場合に、弁護士を新たに後見人として選任して、支援信託の導入の適否を検討する方式であり、②リレー方式は、頭書の後見人に弁護士を選任して支援信託の導入の可否を検討し、支援信託を導入した後に親族後見人に後見人の職務を引き継ぐものです。リレー方式においては、そもそも後見人がいませんが、複数選任方式においても親族後見人が不正をしている可能性があるから支援信託を導入するわけではありません。

私も、就任後誠実に職務をこなしている親族後見人について、支援信託の導入を検討するべく後見人として追加選任されたことがあります。自分は不正をしていないので支援信託を導入する必要はない(そのためだけに専門職に報酬を払いたくない)という親族後見人の心情はわからなくもないのですが、こうした場合でも導入はやむを得ないものといえるでしょう。また、預金は解約し、不要な株式・不動産は売却する等、被後見人の財産を金銭化し、信託銀行に信託するという支援信託の性質上、必ずしも金銭信託が資産運用の点で被後見人に有利でないこともあるという指摘がありますが、資産の増殖は後見人の職務として求められていないのですから、支援信託を否定する合理的な理由にはならないと考えます。

 

 

 

祝?初幹事

私はお酒があまり飲めないので、飲み会の幹事を申し付けられることはこれまでなかったのですが。

何と、そんな私も人生・初幹事となりました(目出度い?)。いざ幹事となって思ったことは、結構お店やメニュー選びが難しいということです。世の中に居酒屋さんは沢山ありますが、好き嫌いの激しいメニューもNGですし、お店の雰囲気・評判(自分の経験)も考えると、実際の選択肢はぐっと狭くなります。そうして絞り込んだお店でも、コースメニューがどれも似たり寄ったりで(失礼!)、確信をもって良いというお店を探すことの困難さを痛感いたしました。この点、弁護士選びにも似たところがあるように思いますが、結局は無難な選択肢が一番ということなのでしょうか・・・。

そんなこんなで、結局私が選んだお店は、無難なチェーン店となりましたが、果たして皆様に受け入れられるのでしょうか、当日までちょっと心配です。

後見人の不祥事

先日、横浜弁護士会から後見事件の受任にあたっての注意喚起が各事務所に送付されました。しかし、残念ながら内容は「後見人になったら不祥事を起こさないようにしましょう」というものでした。被後見人の金銭を着服しないということは、当然のことで改めて言明するものでもないと思うのですが、裏を返せば、その程度のことを守れない弁護士が居り、そして後見人に推薦されているという現実があるということなのでしょう。

現在、家庭裁判所は、被後見人の財産を預金化して信託銀行に信託し、月々の収支がマイナスの場合に信託財産から交付する「後見制度支援信託」の導入を進めております。そして、後見制度支援信託の適用基準となる財産額は低下してきており、横浜家裁管内では1200万円の金融資産があれば、支援信託の利用を検討することとなっております。「後見制度支援信託」は後見人の不祥事対策として考案されたもので、誠実に貢献業務を行っている後見人にとっては痛くもない腹を探られる制度であるものの、専門職後見人にこのような当たり前の注意喚起を行う必要がある中では、導入は不可避であったといえるでしょう。

それにしても、ちょっと情けなくなる注意喚起です。

ケアハウスの勉強会

早いもので、今年も3か月を切り、日々秋の深まるのを感じております。もっとも、当事務所は、そんな季節感とは無縁で、日々仕事に追われる毎日です。いつの日か、秋の深まりを感じながら月を愛でる日々は来るのでしょうか。

先日、高齢者が年金で暮らせる住まいについての勉強会に参加しました。夫婦2人の厚生年金又は妻の遺族年金で安心に暮らせる施設として、ケアハウスが紹介されておりました。それまで、私はケアハウスというものを知らなかったので、大変勉強になりました。

私自身に入所の必要が出るのは当分先の事ですが、後見人という観点からすると、限られた収支の中で安心して生活する場所を確保するということは常に頭を悩ませる問題の一つです。ケアハウスが後見状態の方の入所先となるかはともかくとしても、様々な選択肢を知ることが出来たのは収穫でした。

 

「専門」はNG?②

弁護士に「専門」を求める要因としては、一生に一度あるかないかの法的トラブルに対して、最大限有利な状況で臨みたいという希望があるものと思われます。それはそれで一定の合理性がありますが、実際の事件を解決するにあたっては、弁護士と依頼者の信頼関係も重要になると思います。

たとえ専門的な知識を持つ弁護士に依頼したとしても、全く話を聞いてくれなければ依頼者には不満が残ることでしょう。勝訴すればともかく、敗訴や不利な条件での和解に終わればなおさらです。また、特定分野に強いという弁護士が、本当にその分野の専門家か否かは議論の余地があります。中には、刑事事件において認められる見込みのない保釈請求を繰り返し、保釈請求回数分の追加料金を請求するといった不適切な専門家もいるようですが、それでは専門家に頼んだ意味はないと言っていいでしょう。

私は、得意分野を持つことも大切ですが、依頼者の方の抱える問題が解決できるよう忌憚のない意見を言い合える関係を築くことも重要だと考えております。これからも、一人一人相談者の方が抱える問題について一緒に悩み、解決に導けるよう努力してゆきたいと考えております。

「専門」はNG?①

先日、弁護士会で開催された倫理研修に出席してまいりました。今回のテーマは弁護士の広告です。現在、弁護士の広告は自由化されておりますが、社会正義を追求する弁護士としては(本当に?)、広告の中身についても一定の制約があります。そういった広告規制の中には、一見すると「?」な規制もいくつかあります。

表題の「専門」という言葉は、当該弁護士の専門性が客観的に担保されていない以上、依頼者の誤認を招くということで広告には使ってはならないとされています。実際、「弁護士 専門」で検索しても、「○○に強い」といったページは表示されますが、専門という言葉を使うページは出てきませんので、この規制は有効に働いているということになります。

「得意分野」「○○に強い」という表現は良くて、専門はダメだというのも変な話ですが、私も初対面の人から「専門は何ですか?」と聞かれた経験が多数あるので、それだけ依頼者側の専門性へのニーズが強く、また、専門家でないにもかかわらず「専門家」を名乗りたい弁護士が多い(=弊害も多い)ということでしょう。一見「?」な規制ですが、規制するには相応の理由があると言えると思います。

弁護士保険

交通事故において、損害額が高額でないものの相手と示談が成立しない場合、加入している自動車保険に弁護士特約が付いていれば、弁護士費用の負担なく弁護士に依頼することが可能です。

この特約は、少額の事故について、弁護士費用の負担を懸念して被害者側が請求をあきらめるいわば「逃げ得」の事態が防げる反面、損害額に関係なく利用が可能なために、細かな過失割合についての紛争をいたずらに引き起こす・長引かせるといった事態を引き起こす側面もあると言われております。難しい問題ではありますが、少額の請求でも訴訟を提起され、強制執行を受けるリスクがあるという認識が浸透し、全体的な紛争の抑制につながるのであれば、現行の制度にも一定の正当性はあると考えます(将来的に紛争が増加し、保険料と支出が見合わなくなれば、何らかの制約が課されることはあるでしょうが)。

 

議論を深めるということ

来年4月1日から、横浜弁護士会は神奈川県弁護士会に名称を変更します。

たったこれだけのことですが、横浜弁護士会では、ここに至るまで何度も総会で議論が重ねられ、何度目かの否決を経て可決に至りました。私は、会名変更を議論する総会に2度出席しましたが、1度目は午後1時に始まった総会が深夜0時頃に終了するという有様でした。2度目の総会は思いのほか短時間で決着しましたが、これは前回の総会において決議要件の3分の2に極めて近い数の賛成票が出たことから、大勢が決したと見ることもできるでしょう。ともかく、外部から見れば些細に見える会名変更に、多くの弁護士が議論に時間を費やしたことは、議論好きで理屈っぽい弁護士の面目躍如といえるかもしれません。

そうした観点からしますと、今般話題となっている国立競技場の設計変更問題の根底には、決定に関与した有識者たちにおける議論が決定的に不足していたという問題があるように思います。開示された議事録では、コンペの最優秀案について各委員が短く感想を述べて、それを計画案とすることを了承しておりました。日本的組織の常識で考えれば、有識者会議に求められる役割に忠実に従った結果といえるかもしれません。しかし、今にして思えば、そして、本来からすれば、有識者会議の段階で、建設コストや実現可能性についてより踏み込んだ議論をすべきであり、そうすれば計画決定後3年を経て計画の白紙撤回に至るような、無様なことにはならなかったのかもしれません。

意思決定の迅速化が叫ばれ、議論をすることが無駄のように扱われる今般、この2つの事例の結末はきわめて示唆に富んでいるように思います。

弁護士バッジ

今日は、弁護士の象徴ともいえるバッジについて。

弁護士が身に着けているバッジは、弁護士の身分証の役割を果たしますが、カード式の身分証明書も存在します。そして、カード式の身分証明書の方が、本人確認に使える点で圧倒的に便利です。弁護士バッジは紛失すると官報に公告する必要がある、基本的にネジ式なのでクールビズとは相いれない、といった難点があり、私も身に着ける機会がだんだん減っております。

ですが、なぜかこのカード式の身分証明書、発行が有料です。高い弁護士会費を払っているのに、と愚痴の一つも言いたくなりますが、それにとどまらず、発行に1~2か月かかる、住所が変わっただけでカード自体を再発行する必要があるなど、いまいち使い勝手がよくありません(後者は免許証のように裏書で対応できないものなのでしょうか)。もう少し、会員にとって使いやすい方法にしてほしいものです。

弁護士バッジは銀に金メッキを施しており、この金メッキが剥落してくると、ベテランの弁護士であると言われておりました。しかし、今後カード式の身分証明書が一般的になれば、弁護士バッジがいつまでも新品のようにきれいな弁護士が増えてくるのではないでしょうか。

温泉の話

今日は、仕事とは関係のない?話を一つ。

私は、温泉に行くのが好きで、県内の温泉にもよく行きます。近頃は、旅行サイトで様々な旅館やホテルを比較できるようになり、便利になったと感じる一方、余りにも選択肢が提示されていて決め手に欠ける、といったこともままあります。そこで頼りになるのが口コミ、かと思えば、正反対の評価があって更に決めることができなくなるという悪循環に陥ることもあり、悩ましいところです。情報が不足しているから決定できないわけではないので、いくら情報を集めても決められませんし、いざ決めようと思っても「やっぱり、別のところも」と考え出すと止まらなくなってしまいます。

こういう時は、まず「決める」ことが重要なように思います。どの旅館にも一長一短があるわけですから、マイナス面を気にしていてはどうすることもできませんし、失敗といっても所詮は1、2泊。チェックアウトをすれば、全ては過去のものになってしまうわけです。深く考えずに、気になったところに飛び込んでいく方が、結果として楽しめるのかもしれません。