「日常」カテゴリーアーカイブ

窓辺の胡蝶蘭

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この写真は、去年7月の開業時に頂いた胡蝶蘭から出た芽を写したものです。花が落ちて数カ月後に花があったところから芽がぐんぐんと伸びてきて、遂に蕾が出来るまでに至りました。これから、花が咲くのではないかと期待しております。

この胡蝶蘭は、事務所の窓辺に置いて時々水や液肥を与えるといった程度で、それ以上生育に何もしておりません。温度管理も特にしない中で短期間にここまで育つとは想定していなかったので、改めて植物の持つ生命力の強さに驚かされております。

ところで、私は、インターネット上の情報を基に、三株のうち一株の茎の先端を切り、株の栄養が先端に行かないようにしていました。しかし、芽が出てきたのは先端を切った株ではなく、何もしなかった株でした。株同士の生命力の強さには違いがあるかもしれませんが、下手に何かをするよりはいっそ何もしないほうが良いということを示唆しているようで、とても興味深い出来事でした。私の弁護士業務がこの胡蝶蘭のように、「何もしないほうが良かった」と言われることが無いよう努力してゆきたいものです。

 

横須賀の魅力

最近、NHKの朝のニュースを見ていると、横須賀市についての話題がよく触れられるように感じます。横須賀市としても、人口減ワースト1位の不名誉を挽回するためにアピールに奮闘しているということなのかもしれません。

横須賀には米軍基地や海上自衛隊といった「軍都」のイメージがあり、おしゃれな街あるいは文教地区というイメージからは程遠いところです。ただ、例えば、今年1月18日に関東平野部で積雪があった日、私が用事で行った保土ヶ谷区では雪が残っておりましたが、横須賀では全く雪がなかったというように、比較的温暖な東京横浜よりも更に暖かいので、雪の不安はあまりありません。また、京浜急行線沿線であれば、小田原や相模原に出る時間と同程度で東京に行くことができるというメリットもあります。こうした特徴にスポットを当てた人口流入政策をとることが、差別化につながるのではないかと感じます。

弁護士の職業倫理

今週、社員をうつ病に罹患させる方法と題した文章をブログに掲載した社労士について、厚生労働省が懲戒処分を科す方針を固めたとの報道がありました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160120-00000009-asahi-soci

この話を聞いたとき、ひどい話だと思うと同時に、年末に一部で話題となった、ある弁護士事務所の広告を思い出しました。その広告は、強姦事件を起こした男性が主人公で、弁護士が彼のため被害者に告訴を取り下げさせるために活動する(つまりは、示談を取り付ける)という内容でしたが、終始主人公に反省の意識はないように描かれていたと記憶しています。この広告はその後取り消されましたが、私にはこの2つの事件の根底には、同じものがあるような気がしてなりません。

いずれの事案についても言えるのは、当否はさておきニーズはあるということです。前者は、人件費の削減を目指す経営者に、後者は実際に事件を起こしてしまった人にとっては、まさに望んでいたサービスといえます。しかし、両者は、顧客ニーズを重視するあまり、職業倫理という視点が忘れられています。「事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること」(社労士法2条3号)が業務とされている社会保険労務士が、敢えて社員をうつ病に罹らせるなどということは職責に真っ向から対立するものです。

後者についてはどうでしょうか。被疑者が起訴されないために活動することは当然の弁護活動ですし、被害者と示談を結んで告訴を取り下げてもらうことも通常の活動です。それでは、弁護人は示談さえまとめてしまえば、被疑者に対して反省や謝罪をさせる必要はないのでしょうか。もちろん、個々の事件において事情は様々でしょうが、必要ないと言い切ってしまうことには、個人的にはどこか躊躇を覚えます。大げさな言い方ですが、被疑者の権利のために活動しつつも、最終的に正義の実現を意識して行動することが、社会における弁護士活動を正当化しているのだと思います。

弁護士として、依頼者のニーズに答える必要があることは言うまでもありません。しかし、どこかで踏みとどまらなければならない一線があり、そこを超えてしまえば単なる事件屋となってしまうのでしょう。依頼者の期待に応えつつ、一線を守ることが求められていると感じます。

と、やたらと固くなってしまいましたが、たまにはまじめな話もしてみたいと思います。

今年を振り返る

今日はクリスマスですが、当事務所の年内最後の営業日でもあります。

開業して半年が経ち、新しい事務所での仕事もだいぶ慣れました。正直なところ、開業しても仕事がなく毎日暇になるのではないかと不安でしたが、皆様のご支援もあって一応事務所を回していくだけの仕事がありました。来年は、営業活動にも少しずつ力を入れていき、少しでも頼りにされる弁護士になるべく努力をしてまいります。

独立して強く感じたのは、まだ先行きもわからない中でも、沢山の方が当事務所の発展に期待されているということでした。そうした期待を裏切ることがないよう、これまで以上に一つ一つの事件や相談者の方に対して誠実に向き合ってゆく所存です。

それでは、皆様も良いお年を。

 

グループホーム

先週、ある被後見人の方が、入院先の病院からグループホームに移ることが決まりました。

この方は、現在とある精神障害者向けグループホームで生活しており、諸事情あって入院中という方です。退院後元のホームで生活するとなると様々な面で困難を生じるで、新しい入所先を探していたのですが、こんなにも早く見つかるというのは正直なところ、意外でした。

まず、空きがあるホーム自体が少ないという問題があります。受入先を探し始めた時点で空きがあるホームは数えるほどしかありませんでした。また、主治医が変わってしまうことのリスクを回避するため、現在の主治医の方が往診に行ける範囲のホームとなると、候補は余計に狭まりました。他にも、予算的な制約やホーム側の都合もあり、結局申込先のホームは1つとなり、しかもそのホームでも複数の候補者がいるということから、内心入所できるか不安でした。

とはいえ、特養老人ホームを探す場合、空きがあるどころか3ケタ順位の順番待ちも珍しくありませんし、障害者向けグループホームがない自治体もありますから、行政のサポートもあり、私が後見人として活動できたこの方の事例は、相対的には恵まれた条件であったと思います。今後の高齢化社会のさらなる進展を考えると、被後見人となる方の住まいの確保はより重要な問題になるのではないかと感じます。

 

弁護士会相談の今後

弁護士は、自分の事務所の他に弁護士会の法律相談センターや地方自治体、公的団体でも法律相談を担当することがあります。こうした法律相談は、30分程度の限られた時間の中で相談者から事案の概要を聞き出したうえで、法的問題点を見つけ出して回答しなければならないため、法的なセンスとバランス感覚が求められる業務であると考えております。

この法律相談ですが、予約が必要な場所がある一方で、余り相談が入らない場所もあります。私の感覚では、自治体や法テラスが主催する相談はそれなりに盛況であるのに対し、弁護士会の相談は余り人気がないように感じられます。弁護士会の場合、前日までに相談申込がなくキャンセルになることもしばしばで、相談があっても1件で終了ということも良くあります。一方で、某市の相談は、数週間前の受付開始当日に相談枠がすべて埋まってしまう状況です。

弁護士会とその他の団体で担当者の質が大きく異なることはありませんから、弁護士会に相談に来る人が少ない原因は、原則として有料相談という点以外に考えられないのではないか、と思います。弁護士会の相談は気軽に弁護士に相談できなかった時代の遺物であり、弁護士数が増えた今では歴史的な役目を終えたという意見もありますが、弁護士会以外の団体の法律相談がそこそこ人を集めていることを考えると、法律相談のニーズ自体はあるものの、弁護士会がそれをつかめていないところが真相ではないかと思います。

今後、弁護士会相談を活性化させるとすれば(その必要があるかという議論は措いておきます)、①料金を無料にするか、②何らかの他にないサービスを付加するという方向が考えられますが、②については思いつくものがありませんから、結局は①が現実的なように思います。ただし、料金無料化は、弁護士会の財務状況を悪化させることになりますから、相当な議論が予想されますが・・・

地籍調査

今週、ある被後見人の方が持っている土地について地籍調査があり、それに立ち会ってきました。地籍調査とは、一筆ごとの土地について、所有者、地番、地目を調査するとともに、土地の境界と面積を測量するというものです。立ち会いといっても、特に土地の情報を持っているわけでもないので、測量士の方の説明を聞いて境界を確認し、署名押印して終了したのですが、意外と登記簿上の面積との間で差が出たのには驚きました。

差が生じたのは、従来境界となっていた目印が実際の境界線から数十センチずれていたことが原因でした。過去の測量でそのことが確認されていたのですが、ではなぜズレが生じているのか、今となってはよく分かりません。分譲地の土地でもこういうことがあるのですから、昔からの住人が多い土地では地籍調査も難航するといわれるのは当然のように思います。ちなみに、神奈川県は地籍調査が遅れている地域の一つで、中でも横須賀市の平成27年4月時点での進捗率は2%(!)とのことです。果たして、私が生きている間に横須賀市の地籍調査は終わるのか、不安を覚える数値です。

 

法テラスの契約条項

一昨日、法テラスから契約弁護士に向けてファックスがありました。

内容は様々ですが、一定数報告書を提出しない弁護士に相談を割り当てない、事件終了から2年以上報告がない場合に報酬無しとする扱いの明確化、苦情の共有等が弁護士サイドとしては大きな変更点ではないかと思います。一部の弁護士は法テラスとの契約を解消する他ないと言っているようですが、報告書の提出を求められる程度にしては、過剰反応ではないかと感じます(これ以上、自己破産事件の着手金を減らすとかになれば、大ブーイングものでしょうが。)。依頼者と弁護士というクローズドな関係の中で、法テラス向けの報告書は、弁護士がいつの時点でどのような業務を行っていたか明確にする機能を有しているわけですから、自己防衛という点で期待できる代物ですし、そこまで悪い話ではないように思えるのですが・・・。

任意売却

今週、横須賀支部の弁護士が集まり、破産管財人業務について勉強会を行いました。テーマは「任意売却」です。

管財人の行う任意売却は、別除権(抵当権)者の同意が得られることが前提の上、近年は国税・自治体共に滞納している税金の回収について厳格に徴収しているため、私が弁護士になった数年前よりも状況は厳しくなっているように思います(近年申立代理人として関与した案件を含めても、任意売却が成功した事例はありません。)。管財人に与えられた時間は債権者集会までの3か月程度の時間ですが、この間に売買を成立させるためには、利害関係人の柔軟な対応と情熱が欠かせないと感じます。私が担当した任意売却の案件も、残念ながら財団から放棄という結末に終わりました。こうした勉強会で先輩弁護士の経験を聞くことで、次の管財事件で任意売却を成功に導けるよう努力してゆきます。

「製品」と「商品」

最近伺ったお話の中で、興味深かったものを紹介します。

例えば、ある自動車会社が同じ時期に生産した同じ車種の車の性能が全く同じだとして、この車がディーラーAでは月に7台売れ、ディーラーBでは1台しか売れないという場合、何が違うのでしょうか。

自動車会社が生産した時点では、どちらの車も同じ「製品」です。しかし、ディーラーは、この「製品」をそのまま売るのではありません。「製品」をより魅力的に見せるため、ショールームを工夫したり、お買い得に見せるためにオプションを付けて割引をしたり、担当者がセールスポイントを勉強してお客様に披露したり・・・。様々な工夫をして「製品」を「商品」に仕立て上げてゆきます。この商品力の向上こそが、会社の従業員の目標であり、商品力の差がそのまま売上の差に表れるというのです。

弁護士業界に目を転じた時、このお話は大変示唆に富んでおります。弁護士の世界では、「製品」は弁護士スキル・法的知識であり、「商品」は依頼者に実際に提供されるサービスというところでしょうか。弁護士業界においても、「製品」の質がそのまま「商品」の質につながるわけではないということは、あてはまるように思います。いくら知識に優れた弁護士でも、依頼者に悪印象を持たれる対応を行えば、その依頼者は二度とその弁護士を利用したいとは考えないでしょう。

勿論、法分野が細分化・専門化された中では、弁護士としてのスキルアップは大切です。しかし、スキルアップをしたのだから直ちにサービスの商品力が向上するわけではありません。自らの専門的知識をいかに依頼者に対して魅力的に映るように努めるかが、これからの弁護士業界に必要になってくるのだと思います。