今日は、債権回収のお話をしたいと思います。

債権回収というと堅苦しく聞こえますが、要するに貸したお金が返済されない、売掛金が支払われないといった社会生活上の金銭トラブル一般の問題です。この問題に関する関心はただ一つ、最終的には問題となっている債権が回収できるか否かというところに尽きます。しかし、債権回収の見込みは相手方の経済状態に依存するものですから、弁護士としては回答しがたい事項です。結局のところ、相手方に対して採る手段の実効性とそれに伴うコストを比較しながら、依頼者の方に判断いただくことになります。以下は、相手方に取りうる法的手段として代表的なものです。

内容証明郵便の送付

これは、問題となっている債権について返済を求める旨の文書を、内容証明郵便という形式を用いて相手方に送付するというものです。普通郵便で送った場合と比較して特別な法的効力はありませんが、ⅰ)催告をした旨を第三者(日本郵政公社)が証明するので、請求を受けていない、知らないといった主張が出来なくなる、ⅱ)(特に弁護士名で出す場合)債権者側の回収に向けた姿勢を示すことになるという効果が期待できる、といわれております。

執行認諾文言付公正証書の作成

相手方が分割弁済の意思がある場合、和解契約を結ぶことになりますが、この時の和解契約を公正証書とすることにより、後日相手方が支払いを延滞した場合に改めて裁判を起こすことなく強制執行の手続きを採ることが可能になります。なお、この場合、公正証書には強制執行に服することを承諾する旨の文言(執行認諾文言)を入れておくことが必要になります。差押えのリスクを明示することで、相手方がより弁済に応じやすくなるという効果が期待できますが、公正証書の作成のためには債権額に応じた手数料が必要になります。

訴訟提起

相手方が請求に応じない、分割弁済の合意ができないといった場合には、訴訟の提起を行うことが考えられます。訴訟を提起する場合、訴額に応じ、相手方の住所を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所に提起することになりますが、債権者の住所地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所にも訴訟提起が可能です。訴訟を提起する場合、請求額に応じて収入印紙を貼ることと、訴状の送達に必要な郵便切手代金を予納する必要があります。一旦訴訟を提起した場合でも、訴訟内又は訴訟外において和解を行うことが可能です。

債権の回収については、他にも民事調停、支払い督促といった手段があります。いずれの手段を採るにせよ手数料がかかりますし、弁護士に依頼される場合には弁護士費用も生じることになりますので、債権回収のためにどの程度コストを投入できるか、といった観点からの判断が重要であると思われます。