今日は、支援信託についての実務的な感想をいくつか。

①財産について、自宅不動産の他、換価困難な不動産が存在しても信託の支障にはならなさそうです。賃貸不動産については、物件の管理が生じるので、換価しない限り支援信託には回せないと感じます。逆に言えば、絶対に処分出来ない財産がない限り、財産の内容は支援信託を否定する理由にはならないのではないでしょうか。

②被後見人が高齢である場合、支援信託に適さないとの見解があるようですが、実務上は90歳に近い年齢であっても支援信託の検討をお願いされるので、年齢は問題にならないと思います。

③信託銀行の選定ですが、ほぼ特定の銀行が選ばれているようです(私もその銀行しか選んだことがありません)。運用コストの問題かとも思ったのですが、調べたところ管理・運用報酬が無料とされている信託銀行が複数あったので、それだけでは説明がつきません。恐らく、横須賀中央にその銀行の店舗があり、店舗で手続きできるという安心感があるように思われます。これは地域によって異なるもので、横須賀中央特有の現象ではないかと思います。

④親族後見人の適性については、あまり議論されておりませんが、利益相反や横領行為は別としても、書類作成能力等について厳密な検討は求められているわけではなさそうです。

⑤一般に遺言のある場合は支援信託に適さないとされているものの、推定相続人の同意があれば移行しても良いとの見解があるようです。ただ、推定相続人は相続財産に対する期待権しか有しないという裁判例の立場と矛盾するように感じます。被後見人の最後の意思を尊重するという観点からは、遺言のある場合は支援信託に回すべきではないと感じますが、不正防止という点からは妙案が見つかりません。