先日、横浜弁護士会から後見事件の受任にあたっての注意喚起が各事務所に送付されました。しかし、残念ながら内容は「後見人になったら不祥事を起こさないようにしましょう」というものでした。被後見人の金銭を着服しないということは、当然のことで改めて言明するものでもないと思うのですが、裏を返せば、その程度のことを守れない弁護士が居り、そして後見人に推薦されているという現実があるということなのでしょう。

現在、家庭裁判所は、被後見人の財産を預金化して信託銀行に信託し、月々の収支がマイナスの場合に信託財産から交付する「後見制度支援信託」の導入を進めております。そして、後見制度支援信託の適用基準となる財産額は低下してきており、横浜家裁管内では1200万円の金融資産があれば、支援信託の利用を検討することとなっております。「後見制度支援信託」は後見人の不祥事対策として考案されたもので、誠実に貢献業務を行っている後見人にとっては痛くもない腹を探られる制度であるものの、専門職後見人にこのような当たり前の注意喚起を行う必要がある中では、導入は不可避であったといえるでしょう。

それにしても、ちょっと情けなくなる注意喚起です。